マティス展と東京都美術館
お盆の時期は過ぎましたがまだまだ蝉は元気に鳴いていますね。
今回はマティス展を観に上野にある東京都美術館へ行ってきました。
日差しが強く蒸し暑い中ですが上野には美術館や博物館、動物園などがあり、たくさんの人達で賑わっていましたよ。
東京都美術館で開催されている20世紀芸術の巨匠アンリ・マティスの回顧展はおよそ20年ぶりだそうです。
世界最大規模のマティスコレクションを誇るパリのポンピドゥー・センターから名品約150点が展示されていました。
絵画以外にも彫刻や切り絵、ロザリオ礼拝堂の作品も展示されていて見ごたえがありました。
マティスの作品は色使いが鮮やかで美しいのが特徴ですが、その色使いは絵画にとどまらず切り絵や礼拝堂のステンドグラスにも活かされています。
今回マティス展を開催していた東京都美術館もまた素敵な建築です。
この美術館はモダニズム建築の巨匠前川國男が手がけた建築です。
上野恩賜公園と調和するように高さを低く抑えてあり、入口は建物の地下にあります。
上野には前川國男が手がけた建物が他にもあります。
上野駅の公園口改札を出てすぐにある東京文化会館は60年代に作られたコンクリートの打放しの建物です。
東京文化会館
前川國男は日本人で初めてル・コルビジェに師事した建築家であり、自身が主催する前川國男建築設計事務所出身者にはあの丹下健三がいました。
この東京文化会館の目の前には師であるコルビジェが設計した国立西洋美術館もあり、上野は有名建築の宝庫です。
国立西洋美術館
上野へ来る度にこの貴重な建築を一度に見られるので贅沢で幸せな気分になれます。
さて、話を東京都美術館へ戻しますが、東京都美術館は1975年に竣工しました。駅前にある東京文化会館を手掛けてから14年後、前川國男が70歳の時の建築です。
前川國男は、主に50年代後半から60年代にかけて東京文化会館や京都のロームシアター、青森県弘前市の弘前市民会館など、多くの打放しコンクリート建築を作りました。
60年代後半から70年代になると打ち込みタイルの建築を手掛けるようになります。
東京都美術館は前川國男が開発した煉瓦のような打ち込みタイルの建築です。
建物の中も凝っていて、壁の一部がが赤や青、黄色などの綺麗な色になっていたり、ロビーにあるカッパー色の金属で作られた照明も素敵でした。
前川國男が手がけたタイル作りの建築は浦和興産のある埼玉県にもあります。
「埼玉県立歴史と民族の博物館」や「埼玉会館」です。
ご近所にも前川建築があるのは嬉しい限りです。
マティス展は残念ながら8/20で開催が終わってしまいますが、上野の建築を見るだけでも十分に楽しめますので興味のある方は是非訪れてはいかがでしょうか。