中銀カプセルタワービル
毎日寒い日が続いていますね。
コロナが少し落ち着いていた年末にどうしても今見ておきたい建物を見に都内へ行ってきました。
「中銀カプセルタワービル」を皆さんはご存じでしょうか?
建築が好きな方でしたらその名前を聞いてピンとくる方もいらっしゃると思います。
こちらがその建物です。
建築家の黒川紀章が設計した中銀カプセルタワービルは、世界で初めて実用化されたカプセル型の集合住宅です。
1972年(昭和47年)竣工したものですが、現在では残念ながら建物の解体がほぼ決定してしまったようです。
この建築は黒川紀章の初期の代表作であると共に、日本発信の建築思想「メタボリズム」の代表的な作品で国内だけではなく海外でも人気が高く、貴重な作品です。
小さな箱を積み上げたような独特なフォルムやコンパクトでシステマチックな内装が当時としても珍しく画期的だったようです。
ブラウン管テレビや電話、オーディオ等がはめ込まれた収納スペースは狭い空間でも効率的にものを配置してありますし、今では当たり前のユニットバスもこのビルで初めて使用されたとか。
建物の外側から見ても印象的な丸い形の大きな窓もおしゃれですね。
カーテンの代わりに扇のように360度広がるブラインドが付いています。
学生の頃、電車の窓からこの建物を毎日見ながら通学をしていましたので中銀カプセルタワービルが解体されるかもしれないというニュースを聞いた時には驚きました。
クラウドファンディングで資金を集めて保存するという話も出ていますが、建物を残すことはなかなか難しそうです。
ビルの入口はこんな感じ。
下からのアングルも面白いですね。
私が現地に見に行った時も、何人もの方が中銀カプセルタワービルを見に来ていました。
黒川紀章の有名な建築は国内外にたくさんありますが、東京近郊では六本木の国立新美術館や埼玉県立近代美術館、ワコール麹町ビル、海外ではオランダのアムステルダムにあるゴッホ美術館(新館)やマレーシアのクアラルンプール新国際空港などがあります。
どの建物もシンボリックで曲線と直線の対比が面白い形をしています。
国立新美術館
埼玉県立近代美術館
この他にも彼の作った建築はたくさんありますので気になった方はコロナが落ち着いた時に訪れてはいかがでしょうか。