中山美穂さん主演「Love Letter」
昨年の暮れ、中山美穂さんの訃報が伝わってきました。
岩井俊二監督の作品からは映像の美しさ、みずみずしい空気感に衝撃を受けます。
『Love Letter』も、そんな魅力が存分に詰まった作品だと思います。
勉強会を利用し『Love Letter』を見て頂き、中山美穂さんへの追悼となりました。
みなさんから頂いたコメントを紹介させて頂きます。
★勘違いから始まった博子と樹の手紙のやりとりですが、博子にとっても樹にとっても故人への思いを馳せる素敵な時間になっていました。
樹が亡くなった山に向かって博子が何度も「お元気ですか?私は元気です」と呼びかけるシーンが切なかったですね…。
帰ってこない返事だと分かっていても、繰り返し呼びかけながら心の中ではひとつ思い出に区切りをつけようとしていたように見えました。また最後に返却した本の図書カードの裏の似顔絵もまた青春を感じますね。今になって樹の友情以上の気持ちに気が付き照れている表情もまた可愛らしかったです。A.O.
★冒頭の中山美穂さんの役には混乱してしまいましたが、見て行くうちに理解が進み一つの小説を読んだような気持ちよさがありました。
手紙は、お互いをいききする時間などがあるのでそういった意味ではすぐ届いてしまうメールとは違い1通1通に思いが乗せられていますね。映像もきれいでとても気持ちが癒されました。
中山美穂さんのご冥福をお祈りいたします。A.K.
★中山美穂さんが劇中一人二役をこなし、性格が異なる女の子を演じる姿はとても素敵で可愛らしく、亡くなってしまったことが本当に悔やまれますね。
映画のタイトルである『Love Letter』について最初は博子が届かないと知りながらも天国の樹へ出した手紙のことを表しているのだと思っていましたが、最後のシーンを見てタイトルが指すラブレターは一つだけじゃなかったのだと気づかされました。
中学生だった樹(男性)が図書カードの裏に描いた樹(女性)の似顔絵はぶっきらぼうな彼らしいラブレターだなと思いました。
本を借りる度に図書カードに書いた名前も自分のではなく彼女の名前だったのでしょう。そういうところも心をくすぐられました。
凍てつく雪原の中で「お元気ですか?」と何度も問いかける博子はようやく樹とお別れすることができましたが本当に切なくも温かくなるシーンでした。そして雪景色が美しく透明感のある映像に心が洗われるようでした。
見終わった後に大切な誰かに手紙を書きたくなるような、そんな気持ちにさせてくれる映画でした。
2人の主役を演じた中山美穂さんですが、この作品で女優としても新しい姿を見せてくれたと思います。
これから彼女の新しい作品がもう見られないのかと思うと残念です。K.T.